デニムの染色方法とは??
前回、染色についてお話をしたので今回はさらに深く染色工程についてです(^o^)
■染色工程
繊維の染色において、被染物の形状は一般的に「ワタ(繊維が絡まりあった状態のもの)」「糸」「生地」「製品(縫製品)」に大別されます。このうち、デニムは「糸」の状態で染色され、「たて糸」として製織工程に供給されます。
なお、デニムの「よこ糸」は染色されておらず、「たて糸のみ」を製織前に「先に」染色しておく必要があることから「先染め」織物と呼ばれます。これに対し、「生地」の状態で染色を行う場合は「後染め」織物と呼ばれます。縫製後に「製品」の状態で染色を行う場合は「製品染め」になります。
《整経(せいけい)》
インディゴ染色で先染めを行う染色機にはいくつかの種類があり、その種類によってたて糸の準備工程は異なります。
現在一般的に行われている「ロープ染色」では、まず織物設計にしたがって、糸番手、たて糸本数を決定した後、染色本数に応じてロープ1本あたりの糸本数を決定します。所要のたて糸本数分のチーズを整経クリールにセットし、全ての糸が均斉な張力になる様に調整しながら1本のロープに集束し、規定の長さだけ巻きとり染色用ロープ本数を準備します。出来上がった状態がちょうどロープのような太さや外観なので「ロープ」と呼ばれるわけです。通常ひとつのロープは約400~500本の糸が束ねられています。
※整経クリールから糸が引き出される ※整経(巻き取り部分)
一方、「スラッシャー染色」は最近国内ではほとんど行われなくなっていますが、この方法での糸の準備はロープ染色の場合と異なり従来の先染織物と同じ様に所要のたて糸本数の全部の糸を均斉な張力に保ちながら、規定の長さに、かつ完全な円筒計形荒巻整経ビームに巻きとります。
次回は、「ロープ染色」「スラッシャー染色」の特徴などについてお話します!(^^)