日本のジーンズ普及率は、一人当り1着以下?!
皆さんは日本でジーンズがどれくらい履かれているかご存知ですか??
今回は日本独特の文化と一緒にジーンズ市場についてお話をします(^^)
■日本には着る服の種類が多すぎる
日本は経済的に豊かな割には、この近年ジーンズの普及率は、人口一人当たり約0.7着程度で需要の伸びがやや足踏み状態となっています。これは何故でしょうか?
最も大きな理由は日本では着用する衣服の種類が多すぎる事だと言われています。例えばビジネスマンのスーツ、レディースのスカート類、また伝統的な和服(着物、浴衣)などがあげられます。スーツの国民一人あたりの保有着数は日本の方がアメリカに比べて2倍程度とかなりの普及です。スカートの普及率もアメリカに勝っています。
日本人の男女は毎朝スーツやスラックス、スカートを着用して家から出発する比率が高いということになります。一方アメリカ人は、朝からラフでカジュアルな服装で職場などへ出発しているわけです。当然ジーンズルックも多く見られます。
さらに日本には独特の「制服文化」があります。人生の最初は「幼稚園児服」、それから「学生服(詰襟、セーラー服、ブレザー制服)」、やがて就職して生産や工場の現場に入ると「作業服」、オフィスでは「事務服」などと、日本人の一生をたどると何らかの「制服」を着ている時間の割合が非常に多いことに気づきます。日本の男性のスーツも社会に調和するための制服のような性格をもっています。欧米ではこのような習慣は少ないため、ジーンズが着用される場面が多いということになります。
■「ファッション」寄りの日本のジーンズ
日本ではこのように他の衣料服種が豊富であるという社会背景が理由となって、ジーンズは実用衣料というよりも、ファッション性の高い服種としての性格をもっています。働く場所での必要性よりも、余暇やおしゃれを楽しむ行動の中でのジーンズの方に関心が高くなるという傾向にあります。しかしながら、学生層や主婦層には普段着として多く着用されており、実用衣料の一種であるともいえます。しかしそのような実用目的に近いジーンズの商品企画であっても日本の場合、ファッション要素は取り入れていく必要があります。かたちやシルエットが実用性のある「ベーシック」であっても、色や洗い加工で中古感を出すとか、装飾やデザインで差別化するなどの工夫が不可欠です。